NASDAQ Q-50(次世代50)
大和アセットマネジメントが販売するiFreeシリーズに「Nasdaq Q-50指数」への連動を目指す「iFreeNEXT NASDAQ次世代50」が追加されました。2021年2月から販売です。
そこで、「Nasdaq Q-50指数」について解説します。
端的に言えば「NASDAQ101~150」
Nasdaq-100というNasdaqのベスト100の企業で構成される指数がありますが、それに入っていない101~150位の企業で構成しているのが「Nasdaq Q-50指数」です。大和アセットマネジメントは2021年からこの指数の投資信託を販売しましたが、この「Nasdaq Q-50指数」自体は歴史が古くて2007年に作られた指数です。この指数のメリットとしてはNasdaq-100に組み入れられる直前の企業の株価が大きく上昇する傾向があるので、その恩恵にあずかれる可能性があることです。
ペプシコの例
ペプシコと言えば、日本でもなじみのあるペプシコーラで有名な会社ですが2018年7月23日にNasdaq Q-50から卒業してNasdaq-100に組み入れられました。その時の株価の動きを振り返ってみましょう
下図に青線でペプシコの株価推移を示しました。7.23のNasdaq-100組み入れ前の2ヶ月半で株価が17%ほぼ単調に増加しています。こうした組み入れ直前の急激な株価上昇の恩恵をうけられるのがNasdaq Q-50指数の特徴です。
毎年どれくらいの銘柄がNasdaq Q-50から卒業しNasdaq-100に組み入れになるのか?
Nasdaq-100に昇格する直前の銘柄を持つことがポイントなら「実際にNASDAQ100に昇格した銘柄ってどのくらいあるの?」って思われますよね。過去10年のNasdaq-100に昇格銘柄の数を下表に示しました。1年間で平均8銘柄がNasdaq-100に昇格しています。50銘柄のうち平均8銘柄なので毎年16%の銘柄がNasdaq-100に昇格しています。なかなかの高い割合ですね。
年 | Nasdaq-100に昇格した構成銘柄数 |
2011 | 9 |
2012 | 13 |
2013 | 9 |
2014 | 3 |
2015 | 10 |
2016 | 7 |
2017 | 9 |
2018 | 6 |
2019 | 6 |
2020 | 8 |
Nasdaq-100やS&P500に比べてパフォーマンスがいいのか
ここまで読むとNasdaq-100やS&P500と比べた時のパフォーマンスが気になると思います。そこで比較表を下表に示しました。(USドル建てでのパフォーマンスです。)
年 | Nasdaq Q-50 | Nasdaq-100 | S&P 500 |
2011 | -0.87% | 2.70% | 0.01% |
2012 | 27.95% | 16.82% | 13.41% |
2013 | 46.75% | 34.99% | 29.60% |
2014 | 1.15% | 17.94% | 11.39% |
2015 | 8.81% | 8.43% | -0.73% |
2016 | 4.91% | 5.89% | 9.54% |
2017 | 32.64% | 31.52% | 19.42% |
2018 | -11.33% | -1.04% | -6.24% |
2019 | 32.70% | 37.96% | 28.88% |
2015~2017年と2019年はNasdaq Q-50とNasdaq-100は同じくらいのパフォーマンスで、2012~2013年はNasdaq Q-50の方が良く、2014と2018年はNasdaq-100の方がパフォーマンスが良かったです。
総合的に見るとNasdaq Q-50がNasdaq-100に比べてパフォーマンスが優れていかというとそうでもなく、同じくらいかなぁという印象です。
ちなみに、2012~2013年のパフォーマンスが良かったのはこの期間にFRBのQE3が行われており、中小型株にとって良い相場環境だったからです。
さっきのNasdaq-100に昇格する銘柄が多いから恩恵が多い話はどうなったのと思われるかもしれませんが、長期的なパフォーマンスとしてはNasdaq-100とあまり変わらないように私は感じております。
Nasdaq-100は超大型銘柄に偏っている問題への対策になる
「じゃあ維持費が安いNasdaq-100でいい」という話になりそうですが、Nasdaq Q-50の良い点として特定の銘柄への偏りがNasdaq-100に比べて小さいという点があります。
Nasdaq-100は上位10銘柄で50.6%のウェイトを占めており、100個以上の銘柄に分散投資しているつもりでも実際には多くの部分を10銘柄が占めています。一方、Nasdaq Q-50は上位10銘柄で28.9%とウェイトの偏りが小さく、特定の銘柄への集中が抑えられます。というのも、Nasdaq Q-50の中で時価総額が他銘柄に比べて突出するようになると、Nasdaq-100に昇格してしまうのでNasdaq-100のように一つの銘柄が10%以上のウェイトを占めるような事態が起こりにくいのです。(Nasdaq-100に昇格直前に一時的にそのような状態になることはありえますが。)
※ウェイトは2021年4月時点のものです。
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