ナスダック総合指数とナスダック100の違い

一般的にテレビなどで取り上げられる「ナスダック指数」は「ナスダック総合指数」のことを言っていることが多いです。一方、投資信託やETFで販売されているものは「ナスダック総合指数」ではなく「ナスダック100(NASDAQ100)指数」への連動を目指すものが大半です。ですので、初心者の方はなぜ「ナスダック総合指数」への連動を目指す商品は売っていないのか不思議に思うと思います。そこでその違いについて解説します。

ナスダック総合指数は1971年から算出

ナスダック総合指数は1971年から算出されている伝統的な指数です。ですので、30年前や50年前といった長期の比較ができるため報道には使いやすい指数です。また、3000を超える株式やADR、REITを時価総額加重方式で平均する指数です。マーケット全体を表現するのに優れています。

ナスダック総合指数の特徴

  • 1971年から算出していて、長期の比較ができる
  • 組み入れている株式・ADR・REITの数が多く市場全体を表現できる。

ではこの指数への連動を目指すETF・投資信託を作った方がいいのではと初心者の方は思うでしょうがそれは難しいです。その理由は以下の通りです。

  • 流動性が考慮されていない指数のため、資産規模が一定以上のETF・投資信託がこの指数に連動しようとするのは困難

もう少し具体的に説明しますと、例えば大株主が50%以上保有している株式や時価総額が小規模の株式の場合、資産規模が一定以上のETF・投資信託が組み入れることで市場でその株式の売買が成立しなくなる恐れがあります。

こうしたことから、ナスダック総合指数への連動を目指すETF・投資信託はほとんどありません。

ナスダック100

ナスダック100はアメリカ市場の時価総額が大きいトップ100銘柄(銀行や投資銀行といった金融銘柄を除く)を組み入れた指数で、流動性のことも考慮され3か月間の平均日次取引量が20万株以上の株のみが対象です。

ナスダック100指数の特徴

  • 時価総額が大きい銘柄しか組み入れられない
  • 平均日次取引量が20万株以上の銘柄しか組み入れられない

こういった流動性も考慮された指標で、時価総額が大きい銘柄しかないため、ナスダック100への連動を目指すのは比較的容易です。従って、世の中にはナスダック100への連動を目指すETF・投資信託がいくつも販売されています。

注意事項

参考資料

Investopedia

Bloomberg

当記事について

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当記事の執筆に際して、指数提供会社・運用会社・販売会社との金銭のやり取りは一切ありません。

執筆者は「NASDAQ100」への連動を目指すETF・投資信託を全個人資産の2%未満保有しております。ただし、当記事は自身が保有する金融商品の価格操縦を目的としたものではありません。