S&P 500 ESG インデックスの2021年定期入れ替え

2021年6月27日

2021年4月にS&P 500 ESGインデックスの定期入れ替えが発表されました。

そこで、新たに加わる銘柄と除外される銘柄について解説します。(なお、S&P 500 ESG インデックスの選定方法については別ページを参照ください。)

2021年5月から組み入れられる銘柄

45銘柄が2021年5月から新たに組み入れられることになりました。45銘柄全部紹介しても知らない銘柄が多いと思いますので日本の方でも知っていそうな有名な銘柄だけ紹介します。下の表に示しました。

ティッカー銘柄名日本での呼称
DISCADiscovery, Inc AディスカバリーA株
DISCKDiscovery, Inc CディスカバリーC株
DLTRDollar Tree Incダラーツリー
DOWDow Incダウ
FFord Motor Coフォード
MARMarriott Intl Aマリオット・
インターナショナル
ORCLOracle Corpオラクル
TSLATesla, Incテスラ
WMTWalmart Inc.ウォルマート
DISWalt Disney Coウォルトディズニー

ディスカバリー社はディスカバリーチャネルで日本でもお馴染みの会社ですね。ダラーツリーはアメリカにおける百円ショップ的な小売で、低所得者向け商品を販売しているアメリカでは有名な会社です。

ダウは化学材料メーカーでデュポンとの合併・スピンオフを経て新生ダウとして2019年に再スタートした会社です。

フォードは日本でもお馴染みの自動車会社ですね。実はテスラがS&P500に組み入れられたことで、ESGスコアが自動車業界の最下位から脱出でき組み入れられました。

マリオット・インターナショナルはマリオットホテルやリッツカールトンを運営している会社ですね。

オラクルはIT企業の中では比較的歴史のある会社ですね。2019年にS&P 500 ESGから除外されたので、2年ぶりの組み入れです。

テスラは今回の新規組み入れ銘柄の中で最も浮動株調整後時価総額の高い銘柄です。ESGスコアが低いのに選ばれるというレアケースを作り出しました。

ウォルマートは人権の評価項目が改善しコストコにESGスコアで勝ち、組み入れられました。

ウォルトディズニーは従業員の労働慣行と労働安全衛生が改善したことが評価され組み入れられました。

2021年5月から除外される銘柄

21銘柄が2021年5月から除外されることになりました。日本で知名度の高い銘柄だけ紹介します。

保険会社のAIG、小売のコストコ、SNSのフェイスブック、金融のウェルズファーゴが除外されました。

フェイスブックは2019年にも除外されており、除外と組み入れを繰り返しています。

ティッカー銘柄名日本での呼称
AIGAmerican Intl Group Incエーアイジー
COSTCostco Wholesale Corpコストコ
FBFacebook Inc Aフェイスブック
WFCWells Fargo & Coウェルズファーゴ

入れ替えは株価に影響があるのか

入れ替えによって個別銘柄の株価に影響を及ぼすか気になるところだと思います。例えば、今回除外されたフェイスブックの株価推移を見てみましょう。4/23に入れ替え銘柄が発表されて、もしこの入れ替えが影響あるのであれば、実際に入れ替えが実施される5/3まで株価は下落基調となるはずです。しかしながら、4/23の終値よりも入れ替え直前の5/2の終値の方が高くなっており、全く影響がないことが示唆されます。これはS&P500ESGのETF資産規模がS&P500のETF資産規模に比べて小さいため、大した影響を与えていないためと考えられます。

実際、アメリカ市場で買えるS&P500ESGのETF資産規模は8億USD程度ですが、S&P500のETF資産規模は5000億USD程度と資産規模に大きな差があります。

フェイスブックの株価推移

注意事項

参考資料

S&P公式サイト

NextFUND公式サイト

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