S&P Kensho Virtual Reality Index(ケンショー ヴァーチャルリアリティ インデックス)
S&P Kensho Virtual Reality Indexへの連動を目指す投資信託「eMAXIS Neo バーチャルリアリティー」が2018年12月から運用開始されましたね。そこでS&P Kensho Virtual Realitys Indexについて解説します。
機械学習を用いた新しい指数算出方法
S&P Kensho Indexのページで説明したように機械学習を用いた新しい指数算出方法を採用しています。その中でもS&P Kensho Virtual Reality Indexはバーチャルリアリティーや拡張現実に注力しているアメリカに上場している企業を対象に算出した指数です。
組み入れ対象の銘柄
以下の基準を満たす銘柄が対象です。
- NYSE(ニューヨーク証券取引所)、Nasdaq(ナスダック)、 Cboe(シカゴ・オプション取引所)のいずれかに上場する株式
- 浮動株調整後時価総額が1億USD以上
- 過去3か月間の平均日次売買高において100万USDを下回る日がないこと
ウェイトの決め方
時価総額でウェイトバランスを決めていません。各銘柄をバーチャルリアリティーに関係する事業が会社の主な事業であるコア企業とそうではないノンコア企業に分けてカテゴリーごとに同じウェイトになるようにしています。また、流動性の観点から調整を行っています。
流動性の観点からの調整
2500万USDにウェイトをかけあわせた額が基準日より過去3か月間の各銘柄の平均日次売買高の25%を超えないようにウェイトを調整します。調整の結果余ったウェイトは他の銘柄に均等に分配されます。つまり、あまりにも取引量が少ない銘柄のウェイトが高くならないようにウェイト調整を行っています。
ウェイト調整のタイミング
半年に一度調整されます。毎年5月末と11月末です。
銘柄数は23
2021年6月30日現在の組み入れ銘柄数は23です。5月の定期入れ替えの前までは組み入れ数19銘柄で上位10銘柄で78.1%のウェイトを占めていました。しかし5月末の定期銘柄選定とウェイト再計算により上位10銘柄で58.2%のウェイトになり偏りが少なくなりました。
上位組み入れ銘柄の時価総額は?
時価総額でウェイトバランスを決めていないため、上位組み入れ銘柄の時価総額は1000億円規模の「VUZIX CORP」から100兆円規模の「FACEBOOK INC-CLASS A」まで様々なものが組み入れられています。時価総額の小~中規模の銘柄にはそんなに投資したくないという人もいると思いますので、そういった方はご注意ください。
銘柄名 | 業種 |
3D SYSTEMS CORP | テクノロジ・ハードウェア・機器 |
EMAGIN CORPORATION | 半導体・半導体製造装置 |
HIMAX TECHNOLOGIES INC-ADR | 半導体・半導体製造装置 |
NVIDIA CORP | 半導体・半導体製造装置 |
KOPIN CORP | 半導体・半導体製造装置 |
VUZIX CORP | 耐久消費財・アパレル |
FACEBOOK INC-CLASS A | メディア・娯楽 |
PTC INC | ソフトウェア・サービス |
VISTEON CORP | 自動車・自動車部品 |
MICROVISION INC | テクノロジ・ハードウェア・機器 |
パフォーマンス
3年間分のパフォーマンスしかありませんが、良いパフォーマンスではあります。
年率パフォーマンス | |
1年間 | 186.3% |
3年間 | 53.4% |
2021年定期入れ替え
新規組み入れ銘柄
新規組み入れ銘柄は下表の通りです。注目はゼロックスホールディングスでS&P500からも除外されて一般的には落ち目と見られがちな銘柄です。しかし、AR企業のCareARを2021年に買収したことが評価されたのか、グロース銘柄が多い「S&P Kensho Virtual Reality Index」に採用されました。
注意事項
参考資料
当記事について
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当記事は将来を保証するものではありません。
当記事の執筆に際して、指数提供会社・運用会社・販売会社との金銭のやり取りは一切ありません。
執筆者は「eMAXIS Neoシリーズ」をそれぞれ全個人資産の2%未満保有しております。ただし、当記事は自身が保有する金融商品の価格操縦を目的としたものではありません。