S&P Kensho Democratized Banking Index(ケンショー ニューバンキング インデックス)
S&P Kensho Democratized Banking Indexへの連動を目指す投資信託「eMAXIS Neo フィンテック」が2019年5月から運用開始されましたね。そこでS&P Kensho Democratized Banking Indexについて解説します。
機械学習を用いた新しい指数算出方法
S&P Kensho Indexのページで説明したように機械学習を用いた新しい指数算出方法を採用しています。その中でもS&P Kensho Democratized Banking Indexはダイレクト・レンディング、クラウドファンディング、自動化されたウェルス・マネジメント、利用型/オンデマンド型の保険サービス、デジタル通貨とその関連機能といった金融サービスの革新に注力しているアメリカに上場している企業を対象に算出した指数です。
組み入れ対象の銘柄
以下の基準を満たす銘柄が対象です。
- NYSE(ニューヨーク証券取引所)、Nasdaq(ナスダック)、 Cboe(シカゴ・オプション取引所)のいずれかに上場する株式
- 浮動株調整後時価総額が1億USD以上
- 過去3か月間の平均日次売買高において100万USDを下回る日がないこと
ウェイトの決め方
時価総額でウェイトバランスを決めていません。各銘柄をニューバンキングに関係する事業が会社の主な事業であるコア企業とそうではないノンコア企業に分けてカテゴリーごとに同じウェイトになるようにしています。また、流動性の観点から調整を行っています。
流動性の観点からの調整
1億USDにウェイトをかけあわせた額が基準日より過去3か月間の各銘柄の平均日次売買高の25%を超えないようにウェイトを調整します。調整の結果余ったウェイトは他の銘柄に均等に分配されます。つまり、あまりにも取引量が少ない銘柄のウェイトが高くならないようにウェイト調整を行っています。
ウェイト調整のタイミング
半年に一度調整されます。毎年6月と12月です。
銘柄数は64
2021年6月末現在の組み入れ銘柄数は64です。2021年の定期入れ替え前は53だったので、かなり銘柄数が増えて偏りが少なくなりました。上位10銘柄で23%のウェイトを占めています。S&P Kensho Indexシリーズの中では上位10銘柄への偏りが少ない指数と言えると思います。
上位組み入れ銘柄の時価総額は?
時価総額でウェイトバランスを決めていないため、上位組み入れ銘柄の時価総額は2000億円規模の「LENDINGCLUB CORP」から34兆円規模の「PAYPAL HOLDINGS INC」まで様々なものが組み入れられています。時価総額が数千億円規模の銘柄でもウェイトが2%前後になっているのがこの指数の特徴です。時価総額の中規模の銘柄にはそんなに投資したくないという人もいると思いますので、そういった方はご注意ください。
銘柄名 |
MARATHON DIGITAL HOLDINGS INC |
SHOPIFY INC – CLASS A |
RIOT BLOCKCHAIN INC |
MERCADOLIBRE INC |
SQUARE INC – A |
QUDIAN INC-SPON ADR |
PAYPAL HOLDINGS INC |
LENDINGCLUB CORP |
PAGSEGURO DIGITAL LTD-CL A |
FINVOLUTION GROUP |
2021年定期入れ替え
新規組み入れ銘柄
下表の通り、17銘柄が組み入れられました。注目なのはビットマイニングやビットデジタルといった仮想通貨マイニング企業が組み入れられたことですね。これらの会社は主に中国でマイニングをしていましたが、規制強化で他国へ拠点を移動しているといった報道もされています。
注意事項
参考資料
当記事について
当記事は閲覧者に情報を提供することを目的としており、金融商品の勧誘を目的としたものではありません。
当記事は将来を保証するものではありません。
当記事の執筆に際して、指数提供会社・運用会社・販売会社との金銭のやり取りは一切ありません。
執筆者は「eMAXIS Neoシリーズ」をそれぞれ全個人資産の2%未満保有しております。ただし、当記事は自身が保有する金融商品の価格操縦を目的としたものではありません。