S&P 500 ESG Index

2021年6月27日

S&P 500 ESG Indexへの連動を目指すETF「NEXT FUNDS S&P 500 ESG指数連動型上場投信」が2021年3月に東京証券取引所に上場しましたね。

そこで、S&P 500 ESG Indexについて解説します。

各産業毎にS&P DJI ESG スコアが高い企業を選定

S&P 500の銘柄を各産業グループ毎にわけ、S&Pが評価したESG(環境・社会・ガバナンス)スコア順にランキングを作り、産業グループ毎に浮動株調整後の時価総額の累計が75%に近づくように銘柄をランキング順に選ぶという方式で選定されます。

簡単に言うとS&P500インデックスから各産業グループの毎にESGスコアが低い企業が除外され構成銘柄数が約300に絞り込まれたインデックスです。(2021年5月時点の構成銘柄数は315)

業種別ウェイトがS&P500と同じくらいになる

各産業グループ毎に選定することで業種別(セクター別)のウェイトがS&P500と同じくらいになるように設計されています。

実際に2021年5月下旬時点の割合を比較すると同じくらいであることがわかります。

S&P 500 ESGS&P500
Information Technology
(情報技術)
28.5%26.2%
Health Care
(医療)
12.9%13.0%
Consumer Discretionary
(一般消費財)
13.9%12.1%
Financials
(金融)
11.2%11.9%
Communication Services
(通信サービス)
10.2%11.1%
上位5セクターのみ記載。2021年5月28日現在。

年1回の入れ替えは4月末

定期入れ替えは4月末に決まります。実際に組み変えられるのは5月です。(2021年は5/3に組み替えでした。)

上位10銘柄

上位10銘柄は半分以上S&P500と同じです。S&P 500 ESGにはフェイスブック、バークシャーハサウェイ、ジョンソンエンドジョンソンが入っておらず、エヌビディアとユナイテッドヘルスとビサが入っているという違いです。ちなみに、フェイスブックは2021年4月末の年次選定でESGスコアが他社より低いと判断され除外されました。(もちろん、ESGスコアが良くなればまた組み入れられる可能性はあります。)

S&P 500 ESGS&P500
1アップルアップル
2マイクロソフトマイクロソフト
3アマゾンアマゾン
4アルファベットA株フェイスブック
5アルファベットC株アルファベットA株
6JPモルガンアルファベットC株
7テスラバークシャーハサウェイ
8エヌビディアJPモルガン
9ユナイテッドヘルステスラ
10ビサジョンソンエンドジョンソン
2021年5月28日現在。

ESGスコアが低くても組み入れられることもある

このインデックスの弱点になるのですが、実はESGスコアが低くても他社よりも圧倒的に浮動株調整後の時価総額が大きいとインデックスに採用されるという現象があります。時価総額にそんな圧倒的な差がつくことはレアケースですが、電気自動車で有名な「テスラ」がそのケースとなりました。

テスラは自動車産業のグループ5社の中でESGスコアが最下位でしたが、テスラ以外の4社だけだと浮動株調整後の時価総額の累計が約25%にしかならなかったため組み入れられました。この事実はS&P500の公式サイトにESG指数の責任者であるDaniel Perrone氏が書いており、S&P社でも認識している問題点のようです。

ESGスコア
GM95
Aptive74
BorgWarner66
Ford Mortor
(フォード)
36
Tesla
(テスラ)
22
2021年3月末のS&P500 自動車産業グループのESGスコア

注意事項

参考資料

S&P公式サイト

NextFUND公式サイト

当記事について

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執筆者は「NEXT FUNDS S&P 500 ESG指数連動型上場投信」を全個人資産の2%未満保有しております。ただし、当記事は自身が保有する金融商品の価格操縦を目的としたものではありません。