S&P Kensho Space Index(ケンショー スペース インデックス)

2021年7月15日

S&P Kensho Space Indexへの連動を目指す投資信託「eMAXIS Neo 宇宙開発」が2018年8月から運用開始されましたね。そこでS&P Kensho Space Indexについて解説します。

機械学習を用いた新しい指数算出方法

S&P Kensho Indexのページで説明したように機械学習を用いた新しい指数算出方法を採用しています。S&P Kensho Space Indexは宇宙セクターに関与しているか宇宙関連の活動を事業戦略の中で重視しているアメリカに上場している企業を対象に算出した指数です。

組み入れ対象の銘柄

以下の基準を満たす銘柄が対象です。

  • NYSE(ニューヨーク証券取引所)、Nasdaq(ナスダック)、 Cboe(シカゴ・オプション取引所)のいずれかに上場する株式
  • 浮動株調整後時価総額が3億USD以上
  • 過去3か月間の平均日次売買高において200万USDを下回る日がないこと

ウェイトの決め方

時価総額でウェイトバランスを決めていません。各銘柄を宇宙に関係する事業が会社の主な事業であるコア企業とそうではないノンコア企業に分けてカテゴリーごとに同じウェイトになるようにしています。また、流動性の観点から調整を行っています。

流動性の観点からの調整

2500万USDにウェイトをかけあわせた額が基準日より過去3か月間の各銘柄の平均日次売買高の25%を超えないようにウェイトを調整します。調整の結果余ったウェイトは他の銘柄に均等に分配されます。つまり、あまりにも取引量が少ない銘柄のウェイトが高くならないようにウェイト調整を行っています。

ウェイト調整のタイミング

半年に一度調整されます。毎年5月と11月です。

銘柄数は35

2021年6月現在の組み入れ銘柄数は35です。上位10銘柄で40.6%のウェイトを占めています。銘柄数は少ないですが、特定の銘柄へのウェイトの偏りは少ない指数と言えると思います。

上位組み入れ銘柄の時価総額は?

時価総額でウェイトバランスを決めていないため、上位組み入れ銘柄の時価総額は2000億円規模のものから18兆円規模のものまで様々なものが組み入れられています。時価総額が小さい銘柄もウェイトが4%前後になる場合があるというのがこの指数の特徴ですかね。

銘柄名時価総額
HEXCEL CORP約5500億円
The Boeing Company約16兆円
RAYTHEON TECHNOLOGIES CORP約15兆円
MAXAR TECHNOLOGIES INC約2400億円
AEROJET ROCKETDYNE HOLDINGS約4300億円
TELEDYNE TECHNOLOGIES INC約2.1兆円
MOOG INC-CLASS A約3200億円
HEICO CORP約2.0兆円
HONEYWELL INTERNATIONAL INC約18兆円
VIRGIN GALACTIC HOLDINGS INC約8300億円
時価総額は1USD=110円、1CAD=90円として計算しています。2021年5月の株価を基に計算していますので、最新情報はReutersやBloombergのサイトでご確認ください。

2021年の銘柄入れ替え

新規組み入れ銘柄

主な事業
イリジウム
コミュニケーションズ
衛星電話
オープコムグローバル
衛星ネットワーク
ツー
シックス
工業材料
光電子部品
ビアサットブロードバンド
技術
KBRエンジニアリング
建設
フォーティブ専門機器
自動化
センシング
レイドス
ホールディングス
データ分析
サイバーセキュリティー

注意事項

参考資料

eMAXIS Neo公式サイト

S&P Global公式サイト

Kensho Technologies公式サイト

当記事について

当記事は閲覧者に情報を提供することを目的としており、金融商品の勧誘を目的としたものではありません。

当記事は将来を保証するものではありません。

当記事の執筆に際して、指数提供会社・運用会社・販売会社との金銭のやり取りは一切ありません。

執筆者は「eMAXIS Neoシリーズ」をそれぞれ全個人資産の2%未満保有しております。ただし、当記事は自身が保有する金融商品の価格操縦を目的としたものではありません。