S&P Kensho Robotics Index(ケンショー ロボティクス インデックス)
S&P Kensho Space Indexへの連動を目指す投資信託「eMAXIS Neo ロボット」が2018年8月から運用開始されましたね。そこでS&P Kensho Robotics Indexについて解説します。
機械学習を用いた新しい指数算出方法
S&P Kensho Indexのページで説明したように機械学習を用いた新しい指数算出方法を採用しています。その中でもS&P Kensho Robotics Indexはロボット産業あるいはロボット産業のサブシステムに注力しているアメリカに上場している企業を対象に算出した指数です。
組み入れ対象の銘柄
以下の基準を満たす銘柄が対象です。
- NYSE(ニューヨーク証券取引所)、Nasdaq(ナスダック)、 Cboe(シカゴ・オプション取引所)のいずれかに上場する株式
- 浮動株調整後時価総額が1億USD以上
- 過去3か月間の平均日次売買高において100万USDを下回る日がないこと
ウェイトの決め方
時価総額でウェイトバランスを決めていません。各銘柄を ロボット産業あるいはロボット産業のサブシステム に関係する事業が会社の主な事業であるコア企業とそうではないノンコア企業に分けてカテゴリーごとに同じウェイトになるようにしています。また、流動性の観点から調整を行っています。
流動性の観点からの調整
2500万USDにウェイトをかけあわせた額が基準日より過去3か月間の各銘柄の平均日次売買高の25%を超えないようにウェイトを調整します。調整の結果余ったウェイトは他の銘柄に均等に分配されます。つまり、あまりにも取引量が少ない銘柄のウェイトが高くならないようにウェイト調整を行っています。
ウェイト調整のタイミング
半年に一度調整されます。毎年5月末と11月末です。
銘柄数は39
2021年6月現在の組み入れ銘柄数は39です。上位10銘柄で35.2%のウェイトを占めています。銘柄数は少ないですが、特定の銘柄へのウェイトの偏りは少ない指数と言えると思います。
上位組み入れ銘柄
時価総額でウェイトバランスを決めていないため、上位組み入れ銘柄の時価総額は1000億円規模の「 ASENSUS SURGICAL INC」から11兆円規模の「 INTUITIVE SURGICAL INC 」まで様々なものが組み入れられています。時価総額が小さい銘柄もウェイトが6%前後になる場合があるというのがこの指数の特徴ですかね。
また、 ロボット産業あるいはロボット産業のサブシステム というと工場の自動化システムを思い浮かべる人も多いと思います。このインデックスはヘルスケア機器系の銘柄が多く組み入れられているのも特徴です。
銘柄 | 業種 |
ASENSUS SURGICAL INC | ヘルスケア機器・ サービス |
STEREOTAXIS INC | ヘルスケア機器・ サービス |
INTUITIVE SURGICAL INC | ヘルスケア機器・ サービス |
OMNICELL INC | ヘルスケア機器・ サービス |
TERADYNE INC | 半導体・ 半導体製造装置 |
ULTRA CLEAN HOLDINGS INC | 半導体・ 半導体製造装置 |
GLOBUS MEDICAL INC – A | ヘルスケア機器・ サービス |
JOHN BEAN TECHNOLOGIES CORP | 資本財 |
BROOKS AUTOMATION INC | 半導体・ 半導体製造装置 |
ABB LTD-SPON ADR | 資本財 |
2021年の入れ替え
2021年前半は組み入れ銘柄32でしたが、新たに9銘柄組み入れられ、2銘柄除外され2021年6月より銘柄数39になりました。ヘルスケア機器、創薬支援の銘柄が3銘柄組み入れられたのが個人的には注目です。
2021年新規組み入れ銘柄
銘柄名 | 主要な事業 |
アサンセス・サージカル | 医療検査機器 |
ステレオタクシス | 心臓疾患用 医療機器 |
アプライド・ インダストリアル・ テクノロジーズ | 工業用部品 |
バイオミ テクノロジーズ | 家電製品開発 (中国) |
テレダイン テクノロジーズ | 航空機エンジン |
SPX(SPXC) | インフラ機器 |
レーベン インダストリーズ | 農業製品 |
イノティブ | 創薬・開発 業務受託会社 |
ハーコ カンパニーズ | 金属加工用 ソフトウエア |
2021年除外銘柄
「エイジオン」と「フリアーシステムズ」が除外されました。
注意事項
参考資料
当記事について
当記事は閲覧者に情報を提供することを目的としており、金融商品の勧誘を目的としたものではありません。
当記事は将来を保証するものではありません。
当記事の執筆に際して、指数提供会社・運用会社・販売会社との金銭のやり取りは一切ありません。
執筆者は「eMAXIS Neoシリーズ」をそれぞれ全個人資産の2%未満保有しております。ただし、当記事は自身が保有する金融商品の価格操縦を目的としたものではありません。