「日本経済における回復力と新機軸」を聴講した感想
東京大学の「東京カレッジ」という市民大学的な組織の無料講演会を聞いたので、その感想を書き留めておきます。
題名「日本経済における回復力と新機軸」
演者Jenny Corbett (東京カレッジ 特任教授、オーストラリア国立大学名誉教授、 オックスフォード大学セント・アントニーズ・カレッジ 名誉フェロー)
講演のキーセンテンス(著作権の関係で私が重要だと感じたキーセンテンスだけを羅列します。)
日本はバブル崩壊後GDP成長率が低い。
日本は終わった。日本のシステムは腐っているというような論調もあった。
経済の研究者が日本に来るととても良い国で驚く
GDPだけで判断するのが正しいのか。
GDPには非市場活動が入っていない。
人生の質とGDPは相関するのか疑問
日本人の人生の満足度は向上している。
2000年以来、ボラティリティが小さく安定している。(世界的な傾向でもあるが)
バブル崩壊後も個人消費は伸びた。
日本は安定を好む志向
経済成長が幸せなのか
イノベーションは必要だけど、安定かイノベーションか
日本はアメリカに比べてベンチャーが育たないと言われてきたけど、世界的に見るとベンチャーの数は劣っていない。
感想
海外の方の講演ということで結論がきっちりある講演なのかと思いきや、わからないことが多い分野なのでディスカッションしたいというような話でした。グリーンスパンの「Conundrum」みたいな感じですかね。しかし、40年も研究していていまだに良く分からないというのは日本はよほど特殊な環境なのでしょうか。
GDPはインフレを前提としているので、IT化と海外アウトソーソング・海外生産・外国人労働者といった要因で物価が上がらない日本においてGDPで経済を評価するのは無理があるのかもしれません。
そういえば、名目GDP600兆円って最近聞かなくなりましたね。
バブルの時代を経験していないので、バブルにどれだけ日本が凄かったかイマイチ実感できないのですが、私自身も人生のほとんどがバブル崩壊後にも関わらず楽しい人生おくれています。