XPERIAの販売台数は減ったもののソニーのスマートフォン事業が黒字に転換
「FTSE4Good Developed 100 Index」に組み入れられているソニーの話題です。
ソニー(ソニーグループ)が2020年度の決算を4/28に発表しました。それによると、XPERIAは2018年度に比べて販売台数が半減したものの黒字に転換するという不可思議な決算が発表されました。そこでこれについて解説します。
2年前と比較して販売台数は半減
ソニーグループの決算補足資料によると2018年はスマートフォン販売台数が650万台だったのが、2020年には290万台まで半減しています。
販売台数が半減したにも関わらず黒字に転換
2017~2019年度の3年間赤字続きだったモバイルコミュニケーション(スマートフォン)部門が2020年度は黒字に転換したことが同時に発表されました。販売台数が半減したのにも関わらず黒字に転換できるのは変に思えるかもしれませんが、2017~2018年度の決算で2年連続でモバイルコミュニケーション部門の長期性固定資産の評価額を見直しを行い、減損損失として2年間で合計505億円を計上しました。その分、2020年は固定資産の償却費が抑えられたことが黒字に転換の一つの理由と考えられます。もう一つの理由としては中南米と中近東の販売から撤退し販売地域を絞ることで、赤字の原因だった販売地域がなくなったことが考えられます。
スマートフォン事業の撤退の可能性は低くなった
スマートフォン事業が黒字に転換できたことで、噂されていたソニーのスマートフォン事業の撤退は当分回避されそうです。